小鍛治

Kokaji

天保三年(1831)九月 作詞:二代目 劇神仙 作曲:二代目 杵屋勝五郎


” 子狐丸と末の世に ──

 ─ 残すその名ぞ著るき ”



歌詞

〈本調子〉  稲荷山三つの燈火明らかに 心をみがく 鍛冶の道  子狐丸と末の世に残すその名ぞ著るき 

それもろこしに 伝へ聞く 龍泉太阿はいざ知らず 我が日の本の金工 天国天の座神息が  国家鎮護の剣にも 勝りはするとも劣らじと 神の力の相槌を 打つや 丁々しっていころり 余所に聞くさへ勇ましき 

打つといふ それは夜寒の麻衣 をちの砧も音そへて 打てやうつつの宇津の山  鄙も都も秋ふけて 降るやしぐれの初もみぢ こがるる色を金床に 火加減湯かげん 秘密の大事 

焼刃渡しは陰陽和合 露にも濡れて薄紅葉 染めていろます金色は 霜夜の月と澄み勝る  手柄の程ぞ類ひなき 清光りんりん 麗しきは若手の業もの切ものと 四方にその名はひびきけり


解説

この曲は天保3年(1832)の勝五郎作で長唄全盛期の小曲といえます。 江戸末期の歌舞伎舞踊曲で、五変化舞踊の一曲です。

内容は宗近が稲荷神霊(狐の精)の加護で相槌を得て、名刀小狐丸を打つというもので、謡曲の筋を書き改めた踊りの所作の地となっています。 稲荷山は山城の国(今の京都府)伏見稲荷神社のある山のこと、竜泉大阿とは支那の刀剣の名工の名前です。 「三つの灯」とは伏見稲荷の三人の神様のことです。


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